ハッピーエンドじゃ終わらないところがまた人間臭さがあるんだよなぁ。
ブラック・ジャックは法外な料金を取る医者の志をした無免許医だが。
彼は生に価値があると思うわけだ。
しかし、ドクターキリコは、戦争で助けられない兵士を毒を以て殺したがありがとうと言われ死にこそ救いがあると。
ブラック・ジャックとは対極的なんだよね。
また、だからこそ対極線があり、争いが生じると。
で手塚治虫先生のすごいとこは
どっちかに正義を置かないこと。
だからブラック・ジャックのしたことが水の泡になったりまあ色々する。
無免許医の時点で彼も法を犯してるわけだし。
それが正義を名乗るのもまたおこがましいわけだ。
そこに手塚治虫先生の計算があって。
矛盾を作り出しているし。
それに彼は母を死ぬきっかけになった人に復讐も考えている。それは医者の志とは真逆なんだ。
と、すると。
彼の無免許医という環境がしっくり来るのだ。
不思議だね。
彼の計算はごく自然に仕組まれていて。
またブラック・ジャックの矛盾も見えて
それがまた面白くさせるような。
だ、か、ら。
ブラック・ジャック、彼は恨みを買うし色々してるわけだ。
非常に人間臭さが垣間見えるこれで。
彼はスゴイよ。
手塚治虫先生はね。
これに更に人間ドラマも重ねていく。
神様言われる訳が分かるわ。
矛盾を自分の手で作り出すなんて。
こりゃ今の作家敵わないぞ(・・;)
私?私は
感性だけで作って手塚治虫先生の作品並?
……それもそれで化け物かも。
石ノ森章太郎先生の原稿も見たが
今の作家にはないあの迫力は。
叩き上げの根性ならではの臨場感なんだよなぁ。
あれは今の作家にはできない。
そう、苦労の賜物。